「あれ。」







帰ったら彼がいなかった。
いつもなら、ごろ寝をしつつテレビを見ている彼が気だるそうに
「おかえり。」
って言ってくれるんだけど。

今日はししゃもだけがにゃぁ、と鳴いて出迎えてくれた。

またどっかでお酒でも飲んでるのかなぁ・・。
はぁ、と溜息をつき部屋の電気をつけた。




「なんだか、寂しいねぇ」

ししゃもの頭を撫でながらぽつりと呟いた。
何の音も無い、その空間にやたらと言葉が響いて。
いつもは僕の声なんて彼の声に消されてしまうのに・・・・。


ふいに、目頭が熱くなってきた。



自分一人しかいないのに、泣く所を見せるのは何だか嫌で。
目の前にある机に突っ伏した。




「最悪・・・・・・どこ行ってんの・・・・・・?」


すぐ傍に居たししゃもが心配そうに鳴いた。
ごめんね、心配掛けて。
でも、もうすこしだけ、こうさせてね。


微かな泣き声と、心配そうな鳴き声が部屋に響いた。







「ただいまぁー」




そんな空間を切り裂くように能天気な声が、ドアの音と共に聞こえた。

ゆっくりと顔を上げると彼が居た。



「・・・・・・・・お前・・・・・何泣いてんの?」

と彼は半ば呆れた声で言った。

『あなたが帰ったら居なかったから』

なんて言ったらきっと本気で笑い飛ばされるだろうな。
お前ってそんなキャラかよって言われるんだろうな・・・・・。。







「・・・・貴方が・・・・居なかったから。寂しかったから。」


半泣きの声でそう訴える。
きっとすぐにあなたの笑い声が響くんだろうけど。
僕の気も知らないで・・・・・。
そう考えて俯いた。







「ごめん。」


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・え?」



その意外な言葉に思わず顔を上げる。



「ごめん。ほんと。」


あなたは今までに無いくらいに真面目な表情をしている。
そして反対に呆けた表情をしている自分。
ああ、なんか面白い事になってるなぁ。なんて場違いな事を考えた。


「え・・・・・・・・・・・・・・・・っわ」

ぐっと腕を掴まれて引き寄せられる。




「・・・・・あんま泣くなよ。お前だけじゃなくて、俺もツライから。」







強い力で抱き締められて、またも涙が頬をつたった。
どんどん流れて、止まらなくなって、また泣き声をあげた。




「・・・泣くなっつてんのになぁ・・・・・・」




あなたの困っているような声が、聞こえたけど。


あと少し。








何も言わないで、抱き締めてて。




















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はいっ!六サトー・・。
なんか頭の中ではもうちょっとバカやってるひとたちなんですが・・・。
んん・・・・・・・・・・・?
思いのほか恥ずかしい話になっちゃいました。





















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